動く立体作品 巨大な物体を動かそうとする /ミニマリスト
「動く岩」は1977年に大理石の「動く壁」をOK Harris画廊で展示した後に作り出しました。セントラルパークの巨大な岩を作る事を目標に、セントラルパーク事務所の許可を得て、まず小さな岩から始めて、徐々に大きな岩の型取り、鋳込みを行いました。同時にモーター、スイッチ、リレーなどの電気部品の完璧な動きのために2年間実験を繰り返しました。
OK Harris画廊での 「動く岩」個展の展示作品をコレクターのDavid Bermantが所有する全米各地のビルの広場やロビーに永久設置をして行きました。
MoMAニューヨーク近代美術館、ワズワース美術館に作品は収蔵されました。1983年にはニューヨーク世界貿易センターのロビーに「動く岩」を展示し、2ヶ月後にロチェスターのビルのロビーに移して設置し今に至っています。こうして徐々に大きな岩作品を作っては全米各地に設置して行きました。1986年目標としていた巨大な「動く岩」を完成し、後は絵画作品に集中して行こうと決めていたので「動く岩」は以後作っていません。
「動く岩」は全米の美術館の巡回展の話も有ったのですが、展示には作品の解体、梱包、現地美術館での組み立て、モーターなど電気部品の設置、完璧な動きの継続の確認、などに時間と莫大な
エネルギーがかかり、次の目標の絵画作品制作が全くできない状態になるために断りました。以後は絵画作品の個展をOK Harris画廊などで続けました。
目標としていた巨大な「動く岩」は今、当美術館の2006年6月の美術館のオープン以来、展示し動き続けています。
動く壁 ‐ 2016年熊本地震のモニュメント ‐
0.6×1.8×3.6m 大理石
「動く壁 」は2006年6月10日の美術館オープン以来、展示作品として10年間全く問題なく動き続けていましたが、2016年4月16日発生した熊本地震により、大理石で覆われていた壁の一部が破壊されました。
現在は、作品の周囲を高さ81センチの白い大きな直方体の頑丈な箱で包み込んでいます。
今後、「2016年熊本地震のモニュメント」作品として、大自然の巨大な力を将来に伝えて行きます。
動く岩の製作過程 動く岩はセントラルパークの岩を型取りし、鋳込んだ岩です。
1~6/ニューヨーク・セントラルパークでの岩の型取り 7/仕事場に持ち帰った型 8/石膏がファイバーグラスによって補強される
9~11/型の組み立て 12/プラスティックに砂・色材・鉱物を混入させ鋳込む 13/鋳込みの完了 14/完成した岩をセクションに分解する
15/内部金属構造 16/交流モータを組み込み完成 17/セントラルパーク公園事務所からの許可書 18/動く岩のドローイング